Infinite Information
時計を見ると予定の時間前あと5分なった。
この5分後に神山と会ってこの基地を破壊するのが目的だ。
伊藤の話では『ヘブン』の内部を『W』が管理し、外部の勢力は神山がするという話になっていた。
神山にあんな力があるとは思わなかった。
一度見てわかったことは神山が世界から『悪魔』と呼ばれている人物だったということだけだ。




俺は軍周辺を見た。
軍基地の近くだと言うのに電気店や飲食店がずらりと並んでいた。
軍の関係者がここに来るから儲かるのだろう。
一人の少女が電気店の前で立っていた。


「お嬢さん、どうだぃ。
この電池はヘブン産だよ」


店主が電池を売っていた。


「私の時計が動かないの。それで動くの」

「動くとも。
なんたってヘブン産だからね。
長持ちもするし、品質も最高のものから出来ているんだ」

「おじさん。それ、ください」

「まいどあり」


俺は遠くから見ていたが、ここ最近ではそんな光景を何度も見て来たから気にしない。
電気店・病院・工務店等での販売はヘブン産と言えば売れた。
このおじさんが言っているように品質は最高のものだ。
ここ最近、ほかの国のメーカが売れているところなんて見たことが無い。


俺は煙草を灰皿ケースに入れた。
時計を確認すると予定時間が過ぎようとしていた。


遅刻か。


そんなことを考えていると後ろから「山本」と声がかかった。
俺は後ろを振り向くと一人の美人がそこにいた。
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