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2. 『白崎ナナミ』の思い出

私は幼い頃に才能が開花していた。
私はまだ世界の事、自分の能力が何かを知らなかった。
だから、私は人間が成長すると、理解度や考えることが変わってくるのかと思えた。
生き物を見ると、誕生から亡くなるまでが見えてくる。
新品の商品もやがては錆びる。
そんなことが無意識に想像することが人間だと思えた。


ある時、私の祖父が亡くなった。
皆が涙をする中、私だけが泣かなかった。
その姿を見た両親が私に尋ねた。


「ナナミちゃん、どうして泣かないの」


私は素直に答えた。


「私には見えてたの。
いずれこの世からいなくなるって…
お母さんも見てるんでしょ。
どうして泣くの」

「ナナミ、それは本で読んだのか」

「ううん、見ていれば頭に浮かぶでしょ。
どうして…」


その日から、私の生活は変わった。
両親は祖父の葬式が終わると、病院をいくつか回った。
私は多くの先生達に自分の見えている世界を話した。
両親はその度に泣いていた。
その回った最後の病院が森下総合病院だった。
担当の先生は森下先生で年配の先生だった。
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