Infinite Information

3. 『多才能力者』の思い出

あの日から十年が経つ。


『C』と『W』の協力、
『Cの世界』、
夫と結婚、
『G』の組織、
『G』との接触、
そして…能力病の発病…

私の『C』での役割は情報をシミュレーションして答えを導くための道筋を伝えること。
資料は伊藤君が用意してくれた。


入手先は二種類あり、
一つは『ヘブン』の国ではこの国の王であるアカネのお父さんによる権力から得たもの。
もう一つの海外からの情報は調査部隊が行い得るもの。
この2点から入手された情報は私のところに一度通された。


シミュレーションから今後の活動内容や方向を報告する仕事をする。
そのため、組織内で私を知る人は一握りしかいない。
私の存在そのものが組織では極秘文献保管庫の一部と考えているのだろう。
私の能力は子供の頃の弱点であった『基本的知識』を克服していた。
資料内で使用される専門用語や言語等は他の人が調査して直す。そのため、情報の入力は簡単である。


ただ、私は十年前の事件をきっかけにある弱点を見つけてしまった。
『人間の心』それがシミュレーションに誤差を生み出してしまう。
私は伊藤君に弱点を話した。
伊藤君はそれでもいいと言った。
だから、私は引き受けた。
伊藤君の話では、コンピュータでのシミュレーションよりも言葉を通して聞いた方が理解しやすいと言っていた。
一度、コンピュータによるシミュレーションを友人に作ってもらい、使用した経験があるらしいけど失敗に終わったらしい。
< 377 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop