届かない2つの想い…
入学
[SIDE 沙希]

桜が咲きほこる春。

今日から私、小春 沙希は高校生になります!!
不安はあるけど、幼なじみの子と大好きな中学校からの友達がいるから大丈夫っ♪
これからきっと楽しい毎日が始まるんだ!





「…ふぁー。やっと入学式終わった…。」


長いんだよなぁ入学式…。
もう疲れちゃったよぉ…。


「沙希…、もうちょっとシャキっとしなよ!」


うぅ…。
夏音ちゃん…、そんな怖い顔しなくてもぉ…。


「だって長かったんだもん!!」


「はいはい。」


スルーされてるし~…。
緑川 夏音ちゃんは中学校からの友達で冷たく見えるけど、本当はスッゴい優しいんだぁ♪


「あ、そーいえば沙希はどうする??」


「へ??」


「へ??…じゃなくて!!彼氏よ。か・れ・し!つくるの?つくらないの?」


彼氏ーっ?!
私モテないし…。←自覚症状がないだけ
得意なことは、料理しかないし…。
夏音ちゃんいわく、鈍感??って言うやつらしいし…。


「モテないし、無理だよー!!」


あれ??夏音ちゃんがため息ついてる!!どうして~?!


「…本当に鈍感ね~。」


ま、また言われた…。
中学校の時から何回言われてきたことか…。


「そうそう、沙希は最強に鈍感。」


後ろから聞き覚えのある低い声がした。


「陽君!」


「よっ。同じクラスだぜ♪またヨロシクな。」


志野原 陽君は私の幼なじみ。
明るくて、ちょっと意地悪。
でも陽君には何でも話せる。


「そっか!よろしく♪」


「クラスで思い出したんだけど、早畝 刀哉(はやせ とうや)も同じクラスなんでしょ??」


「早畝刀哉??」


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