先生とひよ子
少し汗をかいて
ジャージの前を開けてる
先生。


いつもの黒ぶち眼鏡を
中指で軽くさわる。


きゅん…


『先生~キャラメルプリン聞きました。うちも食べたかった―!』


千晴がおどけて言う。



先生は少し目を大きくして
私を見た。


『なに?お前言っちゃったの?』


先生は少し笑って
私のおでこをコツンとした。


きゅん…



『あれはご褒美だからな―。
タダではあげれないな』

『うちと琴ちゃん、今日の小テスト満点やったんですけど!』


すらすら喋る千晴を
尊敬する。


私はキュンキュンしすぎて

立ってるのもやっとだよ…



先生はう――ん…
と少し考えてから


『じゃあ待ってろ』



そう言って、
体育館から離れて言った。



先生が見えなくなって…


…きゃ――――っ!!


心の中で叫びながら
千晴に抱きついた。



『かか…かっこよすぎるっ』


真っ赤な私を
千晴が笑う。


『コツンっやって―!
しかもまた琴ちゃんしか見てへんかったで―
喋ってるんうちやのに~』


『もももう止めて~…』


小さく俯く私。


心臓もたない…


キュンキュンしすぎて
死んじゃうよ…




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