スノードロップ




翌日








「久しぶり、元気だった?」

まるで何日ぶりかに会う友人に挨拶するかのように彼は笑っていた。



花柳千暁


少し暗い緑の 着物を着ている。
私は一応挨拶をした。

「お久しぶりです、花柳様」

「堅苦しい挨拶だね。まぁいいや、一ノ瀬さん。話があるんだ」



話がある、

私はじっと花柳様を見た。
飄々としていて、にこやかに笑っている。

「また私に嘘でも吹き込むおつもりですか?」
「まさか。君にとっては損にはならないと思うよ。知りたいんじゃないかな。彼氏の母親のこと…」



彼氏の母親って……。



まさか。





「知ってるよ、司の母親の居場所。蒼井涼。」


「………」





花柳様はふっと笑って、首を傾げた。


「…知りたい?」

どこか挑発的な感じの笑みだった。


知りたい?


知りたいに決まっている。




「はい。」



真実を知れば、司さんも救われる。





「…馬鹿だねぇ」


ぽつりと言って近くの絵を見た。
視線の先には司郎さまの肖像画があった。




ちょうどギャラリーがある廊下。



「長くなるから、場所を変えようか?一ノ瀬さん。」



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