天神学園高等部の奇怪な面々
でもね、と。
月はアリスカにだけ聞こえる程度の声で耳打ちした。
「実はアスラ君は、私でも思考が読めないの」
「え…?」
その事はちょっとした驚きだった。
策士の月の事だ。
少なくともよく行動を共にするこのメンバーの思考は既に把握済みだと思っていたのだが、月ですら思考を読めない相手がいたとは。
「アスラ君は私が思考を読もうとしても、精神にプロテクトがかかっているというか…何て言えばいいのかわからないけど…」
ハッカーが他人のパソコンに侵入しようとして、パスワードを要求されたような感覚だろうか。
たやすくアリスカや啓太の思考を読める月が、アスラの思考だけは読むどころか思考内に入り込む事すら出来なかったというのだ。
月はアリスカにだけ聞こえる程度の声で耳打ちした。
「実はアスラ君は、私でも思考が読めないの」
「え…?」
その事はちょっとした驚きだった。
策士の月の事だ。
少なくともよく行動を共にするこのメンバーの思考は既に把握済みだと思っていたのだが、月ですら思考を読めない相手がいたとは。
「アスラ君は私が思考を読もうとしても、精神にプロテクトがかかっているというか…何て言えばいいのかわからないけど…」
ハッカーが他人のパソコンに侵入しようとして、パスワードを要求されたような感覚だろうか。
たやすくアリスカや啓太の思考を読める月が、アスラの思考だけは読むどころか思考内に入り込む事すら出来なかったというのだ。