モルヒネ




あたしが城に連れて…って言うより、軟禁されてから2日が経った。

ようやく、あたしは部屋から出れた。

群青の剣の兵士さんが部屋に来て、

「来てください。」

とだけ言われ、兵士さんの後をついて行った。

着いた先は、謁見の間ではなかった。

40人ほどの一般人と、群青の剣、それとサンドラ陛下がいた。

「ここは…どこですか?」

あたしは兵士さんに尋ねた。

「マリアナ王家の墓です。」

そう言われた。

「墓?」

墓らしきものは見当たらない。
あるのは、代々の王様の像だけ。


「揃ったね。」

サンドラ陛下が言った。

「ここにいる、40人の能力者達よ。集まってもらったのは他でもない。…わかっているよね。」

前から思っていたけど、陛下の言葉づかいは何かおかしい。

「君たちには、軍事訓練を受けてもらう。」


軍事 訓練?
もう、あの平和条約は
意味のないものになってしまったの?
どうして皆何も言わないの?

「不満そうだな、ベル。」

いきなり呼ばれ、ビクっとした。

「…陛下…。あの、あたし…。」

戦争なんか、やめてください。

なんて言えるわけなくて。

「ふ、何もお前だけが思ってるわけでもないでしょう。バレンシアがマリアナに宣戦布告するのも時間の問題。戦争に備えておかないと。」

サンドラ陛下は笑っていた。

チラ、と横を見ると、
リー、キース、リザがいた。
三人とも真剣な顔だった。
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