年下彼氏。


「きゃっ」


小さな悲鳴が、口から漏れた。


大箸くんが振り返って、あたしを見つめる。


背が小さいから、上目遣いの彼。


心臓が主張しはじめる。


「…んと」


大箸くんの手が、あたしのウィンブレのポケットに向かった。


そのまま、ポケットから出てたクマのストラップを引っ張る。


「やっぱりケータイだ」


薄いピンク色のケータイを取って、勝手にあける。


文句を言うスキさえなかった。


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