青空と銃声
異端の色の獣

一つだけ開いた窓から、赤い光が歌声を連れて入っていた。

荷物を抱えて診療所の廊下を歩いていたロビンは、ふとその前で足を止めた。

見えたのは、聖書で神と崇められる太陽が、黒々した森に埋まろうとする光景。
光はいよいよ濃くなって空を焼き尽くすように放たれ、あらゆるモノを自分の色に染める。

その強烈な赤色といったら。


ロビンは思わず視線を自分の髪に移した。

そう言えばあの祓魔師は、この髪を見ても何も言わなかったなと、今更ながらに気づく。きっと、あの連れがいるからだろう。

それとも、彼自身が異端の色をその瞳に宿していたからだろうか。


ロビンは両手に抱えた荷物を見下ろした。砂まみれの革袋は、一体何が入っているのか異様に重い。

この荷物の本当の持ち主である祓魔師は、もうこの家には居ない。

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