青空と銃声
ベッドに上半身を起こして突き出された右手には、白く細い布が握られていた。
それは彼の右足から伸びている包帯で、それで固定して見えなくなっていた筈の添木が、半分くらい出ていた。
聞く前から既に取っている。
「ちょっと!」
ロビンは思わず大声を上げた。慌ててベッドの側へ駆け寄る。
「ちょっと、何やってんですか!!」
「え、何って。邪魔だったし……」
「何が邪魔ですか馬鹿ですか貴方は!! 骨折ってるんですよ、包帯くらい巻かれて当然です!
……というか、そこ以外全部取ってるじゃないか!!」
近づいて見て分かったことだが、彼のベッドの周囲には既に解かれた包帯が散乱していた。
残るは右足だけだったのだ。
そこをわざわざ聞いてくるなんて。
思わず敬語も忘れて説教するロビンの迫力に、たじたじとなっていた灰色髪の男は、でも、と口を開いた。