青空と銃声

薄く黄色がかった石を炎にかざすと、共鳴するように、それは小さく瞬いた。

「ははぁ。これが聖石『フローライト』かあ……!! 予想してたのより小さいなあ」

「ち、ちょっと父さん。いきなり何やってんだよ! 危ないだろ!!!」

出会ったばかりの祓魔師にペンダントをせがんで借りたロビンの父は、部屋に集まった面子(メンツ)を見事に無視して自分の世界に入っていた。

ここは村唯一の診療所でもあるロビンの家だ。

先ほど外で祓魔師と遭遇したロビンは、昼過ぎに運び込まれた患者が彼の連れだと聞いて、自分の家へ案内してきたのだ。
その際に、その連れにも話があると村長ほか祭りを取り仕切る重役も招いていた。

そんな状況の中、研究熱心に初めて見るフローライトを調べ始める父。


「中で小さな炎が揺れてるが、これどうやってるんだい? 普通ならどんどん燃えてしまうだろ。祓魔師の能力か何か?」

「そうです。『響聴(キョウチョウ)』という言葉を知っていますか。その力を使って祓魔師や採掘士といった発火石類を扱う職業の人間は、炎を制御しているんです」

「ほほー。じゃあ祓魔師は炎を自在に操れるって、本当なんだね!? 点けたり消したりできるのかい!? できればやって見せて……」


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