15歳のラビリンス


「…どうして…?」



問いかけても答えがあるわけじゃない。


手紙を持つ手が震えて、涙があふれだした。



さっき見た笑顔は、やっぱり別れのものだったんだ…。


苦しいくらい好きだって…


そう言ってくれたのに、どうして別れなくちゃいけないの…?



年上なのに私が甘ったれたお子様だから?



辛い思いなんかしてない…っ!


あなたがいるから乗り越えられるって…そう思ってたのに…っ!



「やだ…っ!別れたくなんかないよ…っ!」




涙は後から後から溢れ出すけど、その声はジンに届くはずがない。



もう、ジンは私を見てくれない…



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