15歳のラビリンス


慌てたように息を切らしながら、その足音のヌシは公園に入ってきた。


電灯で姿がよく見える。



「本当に来た……」


「何?疑ってたの?今からそっちに行くって言ったじゃん」



私の呟きが聞こえたのか、ジンは苦笑いをした。


2年前より身長が伸びて、顔立ちも幼さが消えている。



年下なのに、私よりも大人びて見えて、前よりもかっこよくなっていた。



「ただいま、美織」


「ばかものーっ!」



何も言わずにいなくなった事を悪びれる様子もなく、彼は笑って手を広げている。


涙をこらえる事なんかできるわけなく、泣きながら私はその腕の中にとびこんでいった。



< 335 / 338 >

この作品をシェア

pagetop