15歳のラビリンス


「あれ?また歩いてきたの?」


「……うん」



徒歩で図書館の前に現れた私を見たカンナは不思議そうにそう言った。


カンナからしてみたら確かに不思議に見える。



「よし。じゃあ、仁哉が来ないうちに勉強始めよ!」


「うん、そうだね」



そう話しながら二人で図書館に入った。


入り口を入ると、右側に図書館があって、左側は机と椅子が並べられてるスペースがある。


こちらは17時で図書館が閉まっても、夜の21時までは利用できるスペースだった。



今日は本に用はないので、左側のスペースに入った。


私とカンナの他に人の姿はなかったが、席をとってあるかのようにいくつか机に荷物が置かれている。



「……先に来てるっぽい」



見覚えのあるカバンを指差してカンナは苦い顔をした。


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