君は俺のターゲット(2)
「だから殺したんですか?」


「そうよ。ようやくあの女を見つけた時、聞いたわ。槙下要を知ってるかって。そしたら・・・」



《槙下要?知らないよそんな人。つーかアンタこそ誰なの?》



三谷佳織は彼女にそう吐いたそうだ。



「要の命を奪ったあの女を、私は生かしてはおけなかった。

私のかけがえのない弟を殺し、今でものうのうと生きているあの女が、私はどうしても・・・どうしても・・・・・」



彼女は両手で顔を覆い、声を殺して泣いていた。



「だからと言って、殺すことはなかったはずです。確かに三谷佳織がしたことは非常に罪深い。

だが、それでもあなたが彼女を殺す必要はない。

結局は、あなたも彼女と同じく、何の罪もない人間を殺したんです。」



そこまで言うと、彼女は立ち上がり、笑い始めた。



「アハハハ・・・あなたみたいな怪盗にそんなこと言われてもね。」


「・・・・・・?」


「アンタの言うとおり、あたしの手はもうあの女と同じ、人の命を奪った血み泥の手。

でも、それならやってやろうじゃない・・・最後まで。」



さっきまでの彼女とは一変。殺人鬼の顔となってしまった。




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