永久の贄[BL]
「足」

「へ?」

「足、洗って来い。ついでに汚れも落として来い。いつまで哉に背負わせる気だ、お前」


それが海理の第二声。何から言えば良いのか分からなかったから、

様子をうかがっていたけれどやっぱり不機嫌そうな声。俺が返事をする間もなく、

弟子の一人が哉から俺を引き剥がして、海理に何かを言う隙も与えぬまま浴場に連行された。

何か一言くらい言わせてくれたって良いのに。

足はやっぱり小さな傷だらけで、弟子の人が洗ってくれるのは良いけれどしみた。

耐えられるものではあったけれど、やっぱりしみる物はしみる。

自業自得とは言え早く終わってほしいと願うばかりだった。
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