hair salon 『K』
「っ…!!あ、ありがとうございます」


「この髪色、俺の好み」


…………はい?



「せ、先輩」


「ん?」

先輩は、なおも私の髪を触り続ける。


「先輩の好みは茶髪なんじゃあ…」


「ちょっと違うな。

正しくは『茶髪が似合う人』」


「……

いやいや!!でもこの髪色は茶髪じゃないですよ?」


「えっ、これ茶髪じゃないの!?」

先輩は私の髪から手を離し、目を見開いた



「……これは茶色じゃなくて、栗色です。」


「…茶色も栗色も一緒だよ。

まぁ、俺の好みは栗色だな。
『栗色の髪が似合う人』だ。」

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