極超短編劇場
一体、地球から何光年離れただろうか。

出発して二十年のうち殆どは冷凍睡眠装置に入っていたので、実際に意識が有るのは、一年にも満たない。

こうして目覚めるのも、だから五年ぶりになる。

展望デッキの天井には、銀河の中心により近い密度の高い星空が広がっている。

人類移民計画『フロンティアプロジェクト』の一期で旅立った君の事を想う。

亜空間の彼方へと消えていった君の事を。

愛する君の事を。

あれから随分技術は進歩して、空間ロスト事故も起こらなくなった。

そして、この船『Appl Seed』でフロンティアプロジェクトも五期になる。


もう君に追い付く事は出来ないのかも知れない。

でも、もしかしたら、この幾千の星の一つに君がいるかも知れない。

そう考えても良いだろ?

定期報告を送信すれば、僕はまた長い眠り着く。

銀河の果ての、新たな新天地を探す為に。

遥か空間の彼方に旅立った君を夢見て。





君に、この想いが届くといいな。
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