シンデレララブストーリー
出会い方からして特殊だったあたし達。



数日前歩いている真紀の前に一台の黒い車が現れ、中から彼、フィリップが飛び出してきた。


そして突然手を繋がれ、一緒に逃走させられたのだ。


訳が分からない間に、車をまき二人でその場にへたりこんでいた。



そして状況を判断する間も聞く間もなく、彼に言われたのだ。






《俺を家に置いて?》






《え?》



戸惑う真紀をよそに、彼は必死にすがりつく。



《お願いだ。他に行くところがないんだ。数日置いてほしい。》



必死に頼み込んでくる彼に負け、真紀は彼を家に招いたのだ。




───────────・・・・・



「マキ、風呂にお湯入ってるから先に入れよ。」


「うん、ありがとう。」



最初は違和感バリバリだったんだけど


それが今では、フィリップがいることが当たり前になってる。


おかしいな。他人なのにね。


恋人でもないし・・・。




冷えた体をお風呂で温める。



はぁ・・・いつかはここを出ていく彼を好きになるなんて・・・。



真紀のため息がお風呂場に響き渡った。




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