君を愛してない・・・

それから、何度となくルイスとラウノは体を重ね、愛しあいました。


ルイスは日々にとても満足していました。



こんな私でも人並み以上の幸せを掴むことが出来た。


結婚し、愛する人にこんなにも愛されている自分は、なんて果報者なんだろう。


これ以上は何も望みません。ですから、死ぬまで愛するラウノ様のお側にいさせてください。


と願いました。



ですが、ラウノは違いました。


いつもルイスと愛しあって幸せを感じる反面、少し欲が出てきたのです。


自分の愛撫で感じる妻を見て、愛しく感じないわけではありません。


しかし、声を発して自分の名前を呼び、自分を求めてほしいと思うようになったのです。


それからも、ラウノの欲は深まりとうとう普通の会話もしたいと思うようになったのです。


確かに、昔は自分の気持ちを素直に言葉で伝えられましたから、そう思っても仕方がないのかも知れません。


愛する人に、自分の名前を呼んでほしい。


そう思うのは普通かもしれませんが、ルイスはそのことを聞いて、少々ショックを受けました。



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