君を愛してない・・・

美しい声

その夜──────────



真夜中、ラウノはベッドの傍の小さなランプを付けて、部屋の壁に飾ってある、大きな絵を見ていました。



絵は、結婚式の時の二人です。



ラウノの隣で微笑んでいるルイス。



゚.+゚・*。・.+゚・. . .


〔まぁ、なんて可愛いのかしら?〕

〔あなたが気に入ると思って摘んできたのだ。〕

〔ラウノ様が?!〕

〔そんなに驚かなくても・・・〕

〔私、とっても嬉しいです!ありがとうございます!〕


城の中で話相手がいないルイスのために、ラウノは花を摘んできたこともありました。


゚.+゚・*。・.+゚・. . .


〔ラウノ様・・・〕

〔どうした、ルイス?〕

〔これを〕

〔これは、膝掛か?〕

〔はい。もうそろそろ寒くなる時期でございますから・・・喜んで頂けましたか?〕

〔当たり前だろう!こんな嬉しいもらい物は初めてだ。あなたの気持ちが私はとても嬉しい。ありがとう、ルイス。〕


抱きしめて言うと、ルイスは恥ずかしそうに、でも嬉しそうにはにかんだ。


゚.+゚・*。・.+゚・. . .


言葉はなくても手話で十分、彼女と気持ちを通わせられた。


嬉しい時、楽しい時、幸せな時のルイスの顔は本当に美しく、本当に笑い声が聞こえてくるような気もしました。



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