4度目の正直【短編】
4度目の正直
『3年生入場』


の声とともに体育館に入る



席に座ると途端に紀保が声をあげて泣いた



「早っ…じゃなくて、泣くなぁ紀保ー」


「だっ…だっで…も゛う卒業っで…う゛ぅ…」


「濁点は必要最低限でいいって…(笑)」



とか言いつつも、そんな紀保を見ていると自分まで泣けてきそうだったので前を向いた



そしてヤツが目に入った



“明日式の後、体育館裏”



…今まで無視してきたくせに何を今さら


それも、この私を呼び出すなんていい度胸してやがる…っ



───そして式が終わり、ゾロゾロと教室に戻りだした。



「…紀保、ホームルームまで時間あるよね?」


「うん。…20分くらい?案外長いよねー何してようか?」


「あー…ごめんっちょっと用あるから先戻ってて」


「?うん…。」



私は体育館シューズから上履きに履き替え、体育館の裏へと回った。



あれ以来、逆に貯まりに貯まった分のストレスを晴らすために…っ!!


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