最後の世界がきみの笑顔でありますように。


自分の首にかけられたペンダントに左手で触れる。


片翼を手に持って見つめた。シルバーで綺麗な装飾。


「俺のと合わせると…ほら!」



片翼は完全な翼になった。いわゆるペアルックだ。



「すごい……。これなら…飛べるね…。」



「そうだな。二人でなら…何処へでも飛んで行ける。一緒じゃなきゃ駄目なんだ。」



どちらかが欠けても駄目なんだ。だって…片翼じゃ飛べないから。



「陽………。」



「…………ん?」



不意に名前を呼んだあたしを、陽は不思議そうに見つめている。あたしの視界は涙で少しずつ歪んできて、陽の顔もぼやけていた。



「………あ…りがと…うっ…っう…ぐすっ…大好き…。」



『ありがとう』


何度言えば…何度伝えれば…。あなたに届く…?


こんなに愛しくて…。感謝してもしきれないこの気持ちを…。何度伝えれば……。



「……幸……。俺も……幸が死ぬ程好き…。」



陽があたしの唇を奪うように口づける。



深く…噛み付くような…。優しいけど強引なキス。あたしは体を陽に預けた。



あなたと…ずっと……。



一緒にいられますように…。



それだけをただひたすらに願って……。










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