最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「柚ちゃん。目を閉じたら、何が見える?」
柚ちゃんは両手で目を押さえた。
「何も見えないよ!」
その言葉に、あたしは頷く。
「この世界には、こうやって、真っ暗で、何も見えない中で生きてる人もいるんだよ。」
「え!?本当に!?」
柚ちゃんは驚いたように、目を見開く。
「うん。柚ちゃんはお兄ちゃん達の顔とか、何にも見えなくなったらどう思う?」
「嫌だ!!寂しいもん…。」
柚ちゃんは悲しそうに俯いた。