プリ×プリ!〜6人の候補生とお姫様〜

*寝坊…!?(×暁)

「…なに…これ…」

目が覚めたとたん、突きつけられた真実。

「嘘…でしょ…」

頬をつねってみたけど夢じゃなかった。

「ってことは…もしかして…遅刻!?」

時計はすでに8時30分をまわっていた。

「なんで起こしてくれなかったのー!?」

「起こしたけどなかなか起きなかったのが悪いんでしょー!」

「もう!…行ってきます!!」

朝ご飯も食べずに走って行った。

と、前の方に見覚えのある人が走っていた。

よく見ると、暁先輩だった。

(ん?デジャヴ?)

「暁先輩っおはようございますっ…」

「…あぁ。お早う。今日は…遅いんだな」

「先輩こそ…っ遅刻ですか?」

「ちっ遅刻じゃない…俺は先行くからな」

「えっ!?あっ!チャイム鳴ってる!入学早々遅刻なんてヤダよー!!」

「……」

あたしがそう叫んでいると、暁先輩は立ち止まり、あたしに背を向けてしゃがんだ。

「?」

「ほら、乗れ。お前が走るよりずっと速い」

「でも先輩…」

「いいから乗れ!」

あたしは言われた通り、暁先輩の背中に乗り、教室まで連れて行ってもらった。

「あ、ありがとうござ…」

教室に着いてお礼を言おうとしたら、もうそこには暁先輩の姿はなかった。
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