トライアングル・LOVE
「愛子から、もう聞いてる?」
結花はぼくが座ってから、やっと重そうな口を開いた。


「え。なにを?」

「わたしが、妊娠したこと」

「えっ……!」


ぼくは、これまでにないくらいの驚きで、身動き出来なくなった。
妊娠、妊娠って…?!
和尚の子だよな?
あいつ、なんてことしたんだよ?!


ぼくは、混乱して、言葉が出なかった。


「翔ちゃんにとっては、こんな話、迷惑なだけだと思うけど」

ぼくは、そんなことはない、というふうに熱心な目をして首を小さく振った。
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