秘密のMelo♪y*番外編*

いつもならみっちり稽古をつけてもらうところも、気が入らず今日は帰っていいと言われた。

ルンルンしながらスキップで帰っていると、いつものあれが来た。


『真裕ちゃん?』


『はい?』


『きゃーっやっぱり本物だわ! 握手して♪』


『えっ……はあ…』


ぶんぶんぶんっと右手を振り回されると、声をかけてきた女の子はそのまま走っていってしまった。


「…はれまあ」


なんでしょね…。


そうこう言ってるうちにまた…。


『真裕ちゃんよ! ここらを歩いてるって本当なのね!』

『ほんとだわぁ~…可愛い! 妹にしたい!』

『ほんとにちっちゃくて可愛らしいのね!』


……ちっちゃくて悪かったですねーだ。

可愛らしいって要は子供みたいって言ってるんでしょ!

確かにまだ十一の子供ですけども。

なにもそんな幼稚園児が可愛いみたいなノリ…。


ハア…とため息をついたとき、家の外では聞き慣れない日本語が耳に飛び込んできた。


「楓ーっ? かえくーんっ! どこ? かえくーん!」


< 4 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop