秘密のMelo♪y*番外編*

「うるせぇな。大体あいつが危なっかしすぎるんだよ色々」


「まあねーそれは確かにねー」


心配もするだろうが。

ちょっと走ればすぐ転び。

ちょっと転べばすぐに泣き。

目を離せばどこへなりとふらふら行くし。

いつか掻っ攫われるんじゃあるまいかといつもハラハラだわ。


「きゃんっ」


「えええ!? 急に!?」


…そら見ろまた転ぶ。


「…………あーんっ! かっくんこけたぁ…」


…そら見ろまた泣く。


「ほれ」


すかさず駆け寄って手を伸ばし、服についた雪を払う。


「琥珀がおもしれぇ顔して見てんぞ」


「おもしれー顔て…。…あ、ホントにおもしれー」


そりゃまあ、目の前で飼い主がすっ転んだら驚きもするわな。

犬にもちゃんと表情がある。

毎日見てれば手に取るように分かるようになった。


「かっくんちべたい」


「足出してるからだろ」


「なんの! わたしゃ転ぶ前提で厚着はせぬ…!」


「転ばなくても厚着しとけ。そしてお前は転ぶ心配を常にしろ」


「があんっ…!?」


派手にショックを受けて見せる真裕に思いっきり背を向けて、座っていた花壇の場所へ戻った。


< 46 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop