五里霧中
震えるリンをしばらく眺めていると、その震えがピタリとやんだ。
不思議に思ってリンに近付く。
「……っか……がうか……ら」
「どうしたの、リ」
「違うからだ!こんなのにぃにじゃないっ!!!」
リンは勢いよく立ち上がると、どこに隠し持っていたのか、尖った裁縫バサミと取りだした。
にぃにを守るために持っていたハサミ。
でも僕はにぃにじゃない。
だから、にぃにを“消してしまった”僕を殺すためのハサミ。