月に秘めた恋
驚いて 顔を上げた瞬間


唇に柔らかい感触が触れた


どうして・・・嫌じゃないの?


「・・・」


湊君の唇が離れた


放心状態の私は ただ驚いていた


「・・・ごめん でも


未憂の事が本気で好きなんだ」


「・・・」


でも・・・応える事は出来ない


私は 湊君の友達の・・・


李生の彼女だから


「好きだ・・・」


もう1度 そう言った


「ありがとう・・・でも


私は あなたの気持ちには応えられない」


俯きながら そう言った


「・・・未憂」


「湊君の事・・・友達として


好きだよ?」


これで よかったんだ


これが・・・私の精一杯の想い


そして・・・気持ちだから


でも どうして涙が止まってくれないの?


その時 湊君の手が


私の頬に触れて指で涙を拭った


「・・・そっか 未憂は


俺のダチの彼女だもんな?」
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