月に秘めた恋
傷付けて 楽しい奴なんて居ない


「てか お前さ未憂嫌いだろ?」


「・・・だって 羽山さん


モテるくせにムカつくんだもん


和泉君と付き合ってるくせにさ・・・


及川君と浮気して」


「バカじゃねーの? 言っただろ?


俺が勝手に好きなんだって


それ 俺がどうこう言う問題じゃ


ないけどさ 好きにしろよ」


そう言って 藤野の前を通った


でも バカなのは俺の方だ


あんな写真で 少し動揺してしまうなんて


どうかしてる


別に どうって事なかった


冷静過ぎる自分が・・・


少しだけ怖かった


こんなの・・・俺自身望んでないのに


「ごめん」


「え?」


階段のおどり場から そんな声が聞こえた


見ると李生と未憂が話をしていた


「運よくさ 強豪校と試合になって


それまで休みなしって言われた」


「・・・そう」


「本当に・・・ごめんな?


楽しみにしてたのに・・・」


李生は申し訳なさそうな顔で


未憂に謝っていた
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