月に秘めた恋
勝手なのは 私の方


湊君じゃない


「・・・湊君は どうして


そうだって思うの?」


「なんでだろうな?


でもさ 俺は後悔とかしてない


お前を・・・好きになって」


ドキン


もう・・・わかっているはずなのに


答えが出ているのに


どうして焦っちゃうのかな?


「・・・李生は もう居ないの


それはわかってる


だけど 受け入れられない


自分が嫌だった」


何を言っているのかわからなかった


だけど・・・こんな気持ちを


抱えたまま湊君を好きになりたくない


そう 思った


「未憂・・・見ろよ」


「え?」


湊君は 空を見上げた


私も見上げると 薄暗い空に


月があった


半月・・・


「なんか・・・あの月さ


俺の今の気持ちみたいだな」


「え?」
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