月に秘めた恋
え?


湊君は そう言った


「・・・そうなのか?」


「ああ・・・こいつ今


喋れない状態だろ?


だから・・・お前が


思っているような事はないよ」


「・・・そっか じゃあ


後は俺が居るから


お前 教室戻ってろよ」


「・・・わかった」


湊君は 少し悲しい顔で


私を見て廊下を歩いた


「・・・未憂?」


「・・・」


「お前さ なんでも1人で


抱え込みすぎなんだよ」


李生は 心配そうにそう言って


私の涙を指で拭った


「・・・ごめんね?」


ぎゅ


李生に抱き締められた


「でも・・・よかった・・・


何かあったら どうしようかと


思ったんだ


これからは 俺に言って?」


「・・・うん」


私は李生の背中に腕を回した
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