“いぢわる王子”のお気に入り♪【完】
「ん?
んなの、本屋に決まってるだろ?」


当然と言ったようないぢわる王子の顔と声が降ってきた。


「…なんで?
なんで、本屋?」


ケータイをいじる手が止まる。


それに伴って、あたしの足の動きも鈍くなる。


すると――…


歩みを止めたいぢわる王子が、くるっと振り向いて、繋いでいない手をグーにして、あたしの頭をコツコツっと叩いた。


「入ってますか?」


「…?」
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