“いぢわる王子”のお気に入り♪【完】
もう一歩も動いてやらん!


廊下に足を踏ん張って、むぅぅぅ…と唇を尖らせると――…


大きなため息を一つついたいぢわる王子が、スタスタっと戻ってきた。


「で?
何?」


“だから、照れてなんかないんだって!”


そう言おうとした矢先、いぢわる王子が続けて口を開く。


「紗衣。
おまえ、いったい、何拗ねてんだ?」


…え?


拗ねる?
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