月夜に舞う桜華



「…………」


学校、どうしようか。
別に行っても行かなくてもどうでもいい。行っても意味のない場所。


だけど、このまま家にいるのもな、と考えてしまう。


無性に外の空気が吸いたくなった。


のそのそと制服に着替えて、iPodと携帯をポケットに収める。


鍵を手に外へ繰り出そうとして、またドアを閉めた。


「……………」


目に手をやり、大きく深呼吸をしてからドアノブを回す。


変わらない光景に目眩がした。


「………なんで、いるわけ?」

「言ったろ、俺は、諦めが悪い」


言いたいことは色々ある。
なんであたしの家の前にいるのか、何時からいたのか…………


取りあえず、


「ストーカー?」

「あ?喧嘩売ってんのか」


ストーカーではないみたいだ。


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