月夜に舞う桜華



「………椿さん?」

「え?」


ハッと晶を見ると、不思議そうに首を傾けてあたしを見下ろしていた。


「どうかされましたか?」

「………別に、」


関係ないでしょ、と言えば晶の表情が曇る。


「……そう、ですね…」


寂しそうな声にあたしは何とも言えなくなる。
あたしに、一体何をもとめるんだろう。


そう考えていると晶が口を開く。


「……椿さんが疎ましく思っていても、俺達は、貴女を気にかけます」

「………なんで」

「そうですね………総長が、貴女を気に入っていますし……」


貴女のあの強さにも惹かれます。


「………」

「昨日のあれで仲間にはなってもらえなかったですけど、だからと言って俺達を遠ざけないでください」


お願いします、と晶は小さく笑みを作る。


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