月夜に舞う桜華



「………答えは出たか」


ポツリと朔夜が呟いた。


「………まだ」


答えは、出ていない。
そう答えると、小さく舌打ちが聞こえてきた。


(何、気短いな……)


そんな早く答えが出るわけがない。
出るなら昨日のうちに答えている。


「今日は、」

「まだ、違う」

「………」


ジトッと見下ろされ、物言いたげであったが、あたしはその視線を無視した。








「椿!おはようっ!」


(………また、)


学校につくなり、司達があたしを出迎える。


「あ?あいつら何だよ」

「………元皇蘭の幹部」

「………へぇ」


昨日は来てなかった朔夜は、初めて司達を見たのだろう。
眉間に皺を一杯に寄せている。


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