密恋
お姉さんは
菜摘の黒い長い髪を縛っていたゴムをはずし
顔を少しいじり出した。

「はい出来た」

しばらくして、パンと手を叩くお姉さん

菜摘は鏡を見る

もう一人の自分の姿がそこにあった。

「さっそく撮影よ」

お姉さんは、そのまま菜摘を立ち上がらせ
手を引っ張ると、部屋を出ると
また先程の部屋へ戻った

「菜摘入ります」

お姉さんが叫ぶ
菜摘は、頭を下げて前へ出た

一瞬で自分へとカメラが集まる。

菜摘この瞬間が好きだ

「菜摘撮るよ」

カメラのお兄さんが叫んだ

「はい」

息は、既に整っていた

カシャ
カシャ

部屋に響くカメラのシャッター音

それに合わせて菜摘はニコッと笑った

「はいお疲れ様」

カメラのお兄さんはニコッと笑いながら手を上げた

「有難うございました」

菜摘は頭を下げその場を離れる

「お疲れ菜摘」

お姉さんが、お茶を持って来てくれた

「有難うございまます」

菜摘はそれを受け取り
飲むと
急いでで隣の部屋へ行き

化粧を落とし
髪を縛り上げ
制服を着ると
走ってビルを出た


そう、菜摘は雑誌モデルをしているのだ

これを隠すため、学校では極力大人しくしている
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