色×iro~素顔のままで~
「あの時は突っ込まなかったのに、何で今...」

「だって、あれは、学校だったから」

「...怖がってたら、連、助けてくれたかなって、思ったから」

「何ぁんだ」

「何だってどう言うことよ。訊いたんだから、答えてくれても...」

「助けない」

連が笑う。

「スイがあんなものを怖がらないことを、オレは知ってるから。けどね」

ふいに、雷がなった。

遠くから、予備的に聞こえてくることもなかったのに、急に、近くで。

あたしは、耳をふさいでうずくまる。

「...これが怖いことも知ってる」

連は、いつの間にか、そばにいた。

「だから、天気予報見て、心配になったお母さんに、頼まれたんだ」

頭の上で声がする。

< 106 / 141 >

この作品をシェア

pagetop