色×iro~素顔のままで~
「何だよ。目撃されたって、しょせん、相手はあたしじゃないか」

思ってたことを、つぶやいてみる。

何なら、誰も気にしないわ。

...しかも、後でコンビニには来るわけだ。

そこだって、近所に変わりはない。

変なヤツ。

不服に思いながら歩いていると、パッと目を引く綺麗な人が、

目の前の家から出てきた。

「あら、スイちゃん、久しぶり」

あたしを見て、微笑む。

麗花(レイカ)だ。

近所のお姉さん

あたしの表情も緩む。

「お姉ちゃん!?久しぶり!!」

高校を卒業したあと、遠くで独り暮らしをしてたハズ。

「元気だった?」

「うん。お姉ちゃんも元気そう」

「元気だよ~。仕事が忙しくて、なかなかハードに生きてたけどね」

「それで、よく、体壊さないね。なんだか、社会人になるのが怖いな」

「大丈夫。うちは多分特殊だから。それにねもうすぐ退社するから、ひきつぎしなきゃい
けなくて、そのせいで余計忙しくて」

「ひきつぎ?」
< 42 / 141 >

この作品をシェア

pagetop