お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~


あたしは袋を受け取ってお礼を言うと、一目散に自宅に逃げ込んだ。



「……はぁぁぁぁぁ……」



靴も脱がず、玄関で倒れこむように脱力する。


袋から飛び出したリンゴが廊下をコロコロと転がり、甘酸っぱい匂いを漂わせた。






それから、早3日。


文化祭の片付けも終わって日常を取り戻した教室で、あたしは抜け殻のようになっていた。


頭を埋め尽くすのはもちろん、あの日の出来事。


言うだけ言って逃亡したあたしは、そのままアキから逃げ続けてる。
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