お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
数ヶ月前までは考えられなかったこと。
“みんなと同じじゃなきゃ”って気を張って、自分らしさを見失っていた以前のあたし。
メイクもファッションも、人マネじゃなきゃ安心できなかった。
それが、変われたのは――
そこまで考えて、チクッと胸に痛みが走った。
まだ当分消えそうにない
あきらめると決めた恋の痛み。
「おー、泉穂」
登校してきた桃が、モコモコのダウンジャケットの腕をふった。