story【短編】
がたっ!!

いきなり1人の男の子が立ち上がって


「すいません!!受験票カバンに置いてきてしまったんですけど。」


そう言うと、大きな音を立てて教室を出て行った。


彼が出て行った瞬間からさっきまで息をするのも気を使うほど静だった教室がざわざわし始めた。


それもそのはず。


私達受験を控えていた中学生は事前に


「受験はテストの点だけで決まるんじゃないんだぞ!!会場に入った瞬間から試験だと思え!!」


なんて言うことを先生に耳にたこができるほど言われてきたから。


私は恥ずかしそうに戻ってきた彼を見ながら


(かわいそうだけど、たぶん落ちたね。)


なんて事を思っていた。







なんだかんだで試験はおわり、私は無事この高校に受かることができた。


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