愛するあなたへ

♀前のあたし


♀「…ヨウコさんはお母さんなんですか?」
記憶がないと知られた以上
馴れ馴れしく話すわけにもいかない

母?「…ええ、一応ね」

一応ってどういうこと?
親なんだよね?
一応って何?

母「…あなたは
私を認めてくれていなかった。」

あたしが母親を認める…?
どういうことなの?

母「ちょうど反抗期でもあったからね…」

勝手に話を進めるお母さんにイラついた

母「だからね…
♀「いい加減にしてよっ!」

あたしも自分でビックリするくらいの
声を出した。
もちろんお母さんも驚いている

♀「あたし、何も記憶ないの
自分の名前すら思い出せないの
さっきのリョウタくんだって
誰かなんか分からない
自分の身に何が起きたのかすら
分からないの…」

しばらく沈黙が続いた。
それを破ったのはお母さんだった。

母「…ごめんね、ユリカ…」
< 12 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop