ワケアリ夫婦っ!!





「もうそろそろ行かなきゃ!」
携帯で時間を確認すると、待ち合わせまでもう時間がなかった。




「あ、呼び止めてごめんね? 楽しんできて♪」




可愛い笑顔でくしゃっと笑った瑠依くんに見送られ、あたしは真希と待ち合わせ場所に急いだ。




「奈央って羽崎くんと仲いいの?」




ホテルから出ると、不思議そうにあたしをのぞいた真希。





「瑠依くんと? なんか、新幹線で席隣だったんだよね。それでちょっと話しただけだよ」




「へぇ〜、気を付けなよ?」




なぜか怪訝そうな顔をした真希。





「へ……なにが?」





気を付けるって……瑠依くんに?




「だってあの人チャラいって噂だし……あきらかに奈央のこと狙ってない?」




「そんなわけないよっ! ただの友達だし。あたし、可愛くないし……」




だって、これといって口説かれたわけでもないし……。




「奈央は、鈍いの。無自覚なの」




「へ?」




「とにかく、日向を傷つけたりしちゃダメだよ? さ、行こっ」




「う、うん」




なぜか真希にプチ説教。あたし、なにかしたかな……?




「楽しみだなぁっ♪」




といきなりスキップし始める真希。




まぁ、怒ってるわけじゃないみたいだからいっかぁ。




「待ってよっ」








ルンルン気分の真希の後を続いてあたしも追いかけた。








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