ワケアリ夫婦っ!!





本当は今すぐにでも怒りたいのに。




「焦らしてごめんな?」




なんて、子犬みたいな目で謝ってくる。





うっ……ず、ずるい///





そんな可愛い顔するなんて……でも、許さないんだからっ。




「もう知らないっ///日向なんて大嫌いっ!」





恥ずかしくて赤いままの顔で、すねたように日向からプイッと顔をそらす。




「んー……これでも?」




と、意味不な言葉を発した瞬間……。





「んんっ……!」





なぜか後ろにあったブロック塀に身体押し付けられて、キスされた。



しかも……。




「っ……ゃっ……だ……めっ」




舌入ってるって!



てゆうかここ普通の道だし!


誰か通ったらヤバイし!






そんなこともお構いなしに、日向は甘くてとろけそうな口づけを深く何度も唇重ねてくる。




頭のなかが日向でいっぱいになって……。




もう……気絶しちゃいそうで……。




その時……。




「………だ……キャハハッ」



「………ッ!!」




すぐ近くから聞こえた、誰かの話し声。



それも、だんだんとこっちへ近づいてきてるような……。



「だよね〜! ……あれ? あそこ、誰かいない?」




ヤッ、ヤバい!!気付かれたっ!!



もし、日向だってバレてしまったら……ヤバい!かなりヤバい!




とにかくこの状況をなんとかしなければ……。



そう思って、日向の胸板をドンドンと叩くのに。





日向は、まるで何事もないようにキスを続ける。








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