幕末怪異聞録


「何故犬が変化しているんだ?」


土方は疑問に思ったことを素直に口にしたら、狼牙は呆れたように土方を見た。


「西沢に匂いで場所がバレねえように俺の匂いで隠しているんだ。」


「慰め程度だがな。」


「ひどっ!」


冗談を言う灰鐘に少し安心した土方は、その場に座った。


「……何でお前がそこに座るんだよ。」


「見張りだ。」


「お前がいると息がつまるから自分の部屋に行きやがれ。」


「あー!うっせえな!
戻りゃあいいんだろ!戻りゃあ!!」


土方は立ち上がり、荒々しく襖を開け閉めして出て行った。


「―――心配するなと言っているだろう。お梅。」


先程からそこに立っている梅を呆れたように見た。


『心配するやろ?
妖気が消えた思たら、普通吃驚するで?』


< 100 / 321 >

この作品をシェア

pagetop