幕末怪異聞録
「何故犬が変化しているんだ?」
土方は疑問に思ったことを素直に口にしたら、狼牙は呆れたように土方を見た。
「西沢に匂いで場所がバレねえように俺の匂いで隠しているんだ。」
「慰め程度だがな。」
「ひどっ!」
冗談を言う灰鐘に少し安心した土方は、その場に座った。
「……何でお前がそこに座るんだよ。」
「見張りだ。」
「お前がいると息がつまるから自分の部屋に行きやがれ。」
「あー!うっせえな!
戻りゃあいいんだろ!戻りゃあ!!」
土方は立ち上がり、荒々しく襖を開け閉めして出て行った。
「―――心配するなと言っているだろう。お梅。」
先程からそこに立っている梅を呆れたように見た。
『心配するやろ?
妖気が消えた思たら、普通吃驚するで?』