幕末怪異聞録


入ってきたのは沖田だった。


予想外過ぎて、固まっている。


そんな状況を打破しようと、灰鐘は声を上げた。



「総司、勘違いするなよ!?
これは狼牙なんだ!
お前がさっき食おうとしていた犬だよ!」


それを聞いた沖田はハッとし、ニヤリと笑った。


そして近づいて狼牙の首根っこを掴んだ。


「へぇ~…
これがあの犬っころなんだ~…
でもさ、例え飼い主でも時雨を襲ってるようじゃ、犬鍋にしちゃうよ?」


ね?と言うと、狼牙は犬に戻り、怯えて灰鐘の後ろに隠れた。


が、



ガシッ!



「テメェ、次やったら捨てるっつったよな?」


「え!?本気なの、時雨!」


「当たり前だ!」


そう言って灰鐘は外に狼牙をほっぽりだした。


(前もあったんだ…。)


と沖田は内心思ったのだった。


「あ。そうだ、夕餉の時間だよ。」


「おう。行く!」


沖田と灰鐘は狼牙を置いて夕餉を食べに行った。


「俺も連れて行ってよー!」



< 57 / 321 >

この作品をシェア

pagetop